カスタマイズやDIYなどを凝らして、魅力的な暮らし方を実践している方のノウハウをご紹介します。

心と身体でひとつの自分。子どもも大人も、育ち合う場づくりを目指して

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さまざまなワークショップやイベントが開催されている武蔵新城。いずれも主催者の想いが感じられる内容で他のどこでもなく 「武蔵新城ならでは」 のストーリーがあります。今回お話を聞いたのは、オフィスマンモスのキャンプ部門担当の鈴木 啓太さんとパントマイムのお兄さんこと金子 しんぺいさん。お二人は日ごろそれぞれのアプローチで想いを同じくした活動をしています。

 

鈴木 啓太 オフィスマンモス キャンプ担当。_DSC9123徳島県自然スクールエトックにてキャンプ、カウンセリング、保育について学ぶ。現在埼玉県飯能市にてアッさらしー学園 「心と体をほぐす会」 講師を務めながら子ども向けキャンプ事業の運営を行っている。https://www.facebook.com/office.mammoth.1119/

 

金子 しんぺい パントマイムのお兄さんとしてパントマイムひとり舞台からパナソニックCM「衣類スチーマー」に出演するなど幅広く活躍中。また 「パントマイムは思いやる力を育てる」 という理念のもと、子どもたちに向けてパントマイムの魅力を伝える活動も積極的に行っている。飯能アッさらしー学園「こころとからだの表現」講師。 _DSC9119http://shimpeikaneko.com/

 

 

 

教員免許を持つ二人組ユニット、オリジナルなアプローチで 「自己」 を見出す

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「もともとは人見知りだった」 と話す鈴木さん

鈴木さん: 現在、オフィスマンモスで僕は主に2つの活動をしています。一つが子ども向けのキャンプ事業で、これは大人がおぜん立てをしないプログラム・フリーのスタイルで、幼稚園児から小学校高学年生あたりまでが一緒になって行うものです。もう一つの柱が大人へ向けた 「心と体をほぐす会」 という講座になります。

具体的なアプローチはセルフマッサージです。自分で自分の体をさわって圧していくと硬かったり痛かったりして、それを感覚としてわかっていくんですね。このプロセスが大切で、「硬かったから治しましょう」 とか解決策まで踏み込むものではありません。ただ気づく、知る、それでいいのです。今の自分をありのままとして理解することを大切にしています。

次に心の声を聴くということですが、普段日常生活は慌ただしいですから、あっちこっちに関心が外に向かっていっていますよね。ではふと、心そのものが立ち止まったときに自分自身の話をする時間を共有しましょう、というものです。これはカウンセリング的な考え方が大きく、最初にこのプロセスを経て後半に体の声を聴いていくのですが、参加者に 「気持ちの居場所」 を与えるためのプログラムです。私たちはなぜか、イライラや怒りや落ち込んだりする感情をネガティブなものとして存在を認めず、打ち消してなかったことにしてしまいます。それによりその感情は行き場をなくしてしまうため、結果としてこれが生きづらさにもつながっていってしまいます。イライラも認めて受け入れることで気持ちにゆとりが生まれるだけでなく、その感情を足がかりに次のステップを踏み出すことができるのです。

 

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ご両親の反対を押し切ってパントマイムの道を選んだしんぺいさん

しんぺいさん: 僕は “パントマイムのお兄さん” として活動しています。一般的にはパントマイマーとかパントマイミストなどと呼ぶのですが、親しみやすく身近に感じてもらえたらと思って。それにわかりやすいですよね 。 「パントマイムが思いやりの心を育てる」 という理念を持って活動していて、子どもたちに “思いやりの心を育くんでいこう” ということを伝えていきたいと思っています。パントマイムのお兄さんとして幼稚園や小学校でイベントに呼んでいただいたり、保育士さん向けに講演活動などもしています。最近はテレビCMの出演機会などもいただけていて。実は僕が大学を卒業してパントマイムの道に入ることを両親はとても反対しまして…。なかば家出同然で飛び出した過去があり、そういったCMなどで活躍の機会を知らせることは両親にとっても安心もできるし、うれしかったみたいでご近所や親せき中に宣伝してくれていたのを知ったときは僕もうれしく思いました。

 

理論と実践に基づくメソッドに自己表現のエネルギーを併せ持つ。二人だからできることとは

鈴木さん: もともと大学の同級生だった僕たちは、実は二人とも小・中・高等学校の教職免許を持っています。結果として学校教育に携わることはありませんでしたが、今はこうして二人とも、それぞれの想いと個性を活かしたアプローチで教育に従事しています。

しんぺいさん: そうだよね。もともとオフィスマンモスの前身は劇団だったんですよ!啓太くんにふと劇団に呼ばれて、割り当てられた役柄になり切って演じた…演じたというより表現を発散したという感じですが、そのときに身体表現の面白さに気づきました。「表現の道はおもしろいんだなぁ」 と思ったきっかけでした。それから世界的に活躍するサイレント・コメディユニットの 「が~まるちょば」 さんの舞台を生で観てパントマイムの世界を知ったんです。そしてパントマイミストの清水きよし師匠のところへ弟子入りしました。その頃大学4年生で、教育実習などもやっていた時期。教員になるべきか、パントマイムの道に進むべきかという岐路で、ご承知のように後者を選んだというわけです。

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「パントマイムをとおして子どもたちへ思いやりの心をはぐくんでいきたい」
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「タイプが違う僕たちですが、互いに補完し合っています」

鈴木さん: しんぺいくんと僕はまったくタイプが違うので、お互いの存在が補い合っていいチームになっています。たとえば僕はもともと人見知りで溶け込みにくい性質で。キャンプ事業もしんぺいくんの講座の生徒さんを対象にさせてもらっているからとても助かっているんですよね。こういう人ですから (笑) 、人のつながりが彼のおかげで生まれていったことは本当にありがたいと感じています。

薪も一本じゃ燃えないけれど、彼と一緒にやることで大きな火を生み出せる。二人でガンガン語り合っていくことで自分を知っていくことができるんです。

しんぺいさん: (ニコニコしながら) 啓太くんは徳島で保育やカウンセリングをきちんと学んできた裏付けがあり、どちらかと言うと僕は感覚でやっていくタイプなんで、啓太くんがきちんとそれらを理論づけていってくれている。それでいいよ、って 「マル」 してくれる。僕にとってもありがたいことなんです。

 

『みつめてほぐしてマイムして』  誕生の経緯

しんぺいさん: なぜパントマイムなのか?といえば “身体ひとつと頭だけ” というシンプルな世界の魅力にカギがあります。気持ちの揺れや動きといった心模様を、言葉を使わずに想像力だけで表現するということが魅力なのです。テクニックがないと難しいと思われがちなんですが、そうじゃないと伝えたくて。2年前に親しい友人が自ら命を絶ち、悲しみや絶望やらさまざまな思いで落ち込み、打ちひしがれていた頃、師匠から 「その気持ちをパントマイムの作品にしてみては」 という助言をいただきました。物語を考え舞台で演じてみたら、気持ちが本当にすっきりしたんです。物語の最後に虹を描くのですが、それが鎮魂となりました。このとき僕が感じた不思議な気持ちを啓太くんに話し、これは面白いかもしれないと直感的に感じたのです。その後、大人向けのワークショップをリクエストされた際に啓太くんに協力を仰ぎ、 『身体ほぐしとカウンセリング、ヒーリングを通じて自己を見つめる』 という今のパッケージへと昇華できました。僕はテクニックを教えることには興味がなく、パントマイムによって心がラクになる瞬間を体験してほしいと願っています。

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このワークショップは大人の方々へ向けた、僕らの一つの挑戦でもあるんです。社会で活躍している方や、定年を迎えた方。主婦の方、サラリーマンの方、どんな方でも気軽に参加してみてほしいです。今岐路に立って進むべき道に悩んでいる方などにも、自己を知る最初のステップとしてお薦めしたいと思っています。 ≪みつめてほぐしてマイムして詳細

僕らは “育ち合う場づくり” を目指した活動をそれぞれが進めています。ここ武蔵新城という地でも、育ち合う場がもっとのびのびと選べるようになったら素敵だなと思っています。その選択肢の一つでありたいんです。ならばそれをうたう僕ら自身が健やかでいたい。

鈴木さん: 理想の自分を描いてそこに近づくことをよしとしていると、そこに満たない今の自分を “足りない存在” と感じてしまいます。そうした引き算的な物の見方をやめたところに本来の自分として満たされていることに気がつくことができるのです。

 

ロケ協力:パサールベース

オフィスマンモスTEL: 090-6303-5424

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